院長のコラム第63回 水の流れ
流れ来る さくら花びら 次々と
桜満開が過ぎ散り始める頃、用水路に桜花びらが次々と流れてきます。途切れたと思うとまた一つ、また一つと流れてきます。一度この桜花はどのあたりから用水路に落ちているのだろうかと、用水路を少しばかり遡りましたが、数10メーターで諦めました。用水路が、蓋をされ、追えなくなってしまったからでした。
私は水の流れを見るのが好きで、じっと流れを見ていますと、心が落ち着きます。散歩道には水田が散在していますので、用水路の流れを見ることが出来ます。用水路の流れは、日によってその水量が違います。全然流れていないように見える時、水量豊かに流れる時、様々です。平日散歩する時間は早朝で、まだ暗い時です。水の流れが止まっている時は、街灯がそのまま写り、流れが豊かな時は、様々な水紋をみることが出来ます。幾何学的な紋様になる時もあります。
流れの水音を聴ける場所が数か所あり、その場では目を閉じて耳を澄まし、眼を閉じます。渓流を想い、イメージを膨らませます。健康づくり財団附属病院前の桜並木の東の堰は、水量が多く、流れ落ちる音も大きく、心が洗われます。堰が絞められた時、散った桜が桜並木の水路の水面に一面に浮かび、お花の絨毯になります。この景色は残念ながら、まだ二度しか見たことがありません。
最も大きな水の流れは吉井川です。病院の6階から東に見ることが出来ます。永安橋から河口まで大きな柔らかな流れが続きます。朝の陽の光で川面が照り輝くのを見ると、その壮麗さに打たれ、思わず手を合わせます。
「行く川の流れはたえずして、しかも、もとの水にあらず」一日一日を大切に進みたいと思います。