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コラム

院長のコラム第51回 我 厳しきもの 見たり

曾野綾子さんは著書「心に迫るパウロの言葉(新潮社)」の中で、「いつくしきもの」を「端正で立派」と書いています。そして「自分がすばらしいことに出会ったという事実を、常に<心に留め>ておけば、死ぬ時も思い残しがない」と述べています。

盛全会 夏祭りのゲストに杉良太郎さんが来られました。
あの「杉様」です。

文吾捕物絵図などでテレビ出演、一躍有名スターに、その後明治座・新歌舞伎座などで座長公演をこなした大物中の大物スターです。古くは無名の頃から刑務所慰問に始まり、有名になってからも、幅広く社会奉仕活動を行ってこられています。

厳しい人という情報がどこからともなく入っていて、写真撮影、ビデオ撮影厳禁と、何度もアナウンスされ、粗相があってはならないという緊張感の中で講演が始まりました。

その前に、スタッフとの記念撮影があり、ドアーから出てきた、杉様を見て「若い」「姿勢がよい」「背が高くて、がっしりしている」の印象を受けました。

最初から全開です。
「すきま風」「明日の詩」、身体が震えるような感激、次いでトーク。阪神大震災、東日本大震災、熊本大震災などの救援・慰問などに対する世間のやっかみに対して、「偽善で売名行為 結構。皆さん、困った人に100円、いや1000円、まして1万円あげますか?」と話す迫力は、文面で読むのとは大違いでした。

熊本のハンセン氏病施設の話も心を打ちました。
「国民一人一人がお詫びをしなければならない」。施設内で公演(遠山の金さん)をすることを約束し、それをしっかりと実行したこと、その熱意・責任感に圧倒されました。歌は「江戸の黒豹」「男の土俵」と続きます。このあたりまでは、過去に聴いたことがある曲でした。

杉様から会場の緊張感を和らげるよう「何が聞きたいですか」の提案、すかさず「伍代夏子さん」の声がかかりました。杉様曰く「伍代さんは、さっぱりとした性格で、くよくよしない。家に男が2人います。伍代さんは料理を作る人、私は食べて片付ける人」と良い夫婦ぶりを披露されました。

歌は、あと3曲披露されました。
最後の歌は「神様への手紙。作詞 杉良太郎」です。杉様の気持ちが込められた詩です。
「私は神様に手紙を書きました」で始まります。
「神様あなたは頼まれすぎてお疲れですか?まさか聞き流してはいないでしょうね」では思わず笑ってしまいました。

最後の「今の世の中だからこそ 余計にあなたは必要とされているのです 神様への手紙 どうかどうかどうか 届きますように」

人間 杉の心の叫びを聞きました。

まさに<我、いつくしきもの見たり>でした。