院長のコラム第50回 七夕さま
ささのは さらさら のきばに揺れる お星さま きらきら 金銀砂子
「お星さま きらきら 金銀砂子」は天の川です。
私の故郷、矢掛は南に遥照山天文台、北に美星天文台のある山間の宿場町です。子供の頃、夏の空を仰ぐと無数の星の帯、天の川をはっきりとみることが出来ました。いつの頃からか、天の川は、岡山の夏の空から消えてしまいました。
夏、私の子どもの頃あって、今ないものについて考えてみました。
まずは蚊帳です。日本脳炎は蚊が媒介し、夏に流行するので、必ず蚊帳の中で寝ました。蚊帳の中が暑かった記憶はありません。今ほど夏が高温でなく、また窓を開けて寝ていたからだと思います。蚊帳の中に入る時、蚊が中に入らないように蚊帳の端をばたばた振払って、さっと中に入っていました。楽しい想い出です。
次いで「川で泳ぐこと」です。私の家の前に、道路を挟んで小田川が流れていました。夏休みなると「川で泳ぐこと」が、一番の楽しみでした。小学校の決まりで午前中に泳ぐことは禁じられていました。が、それを破って午前中から泳いでいました。20mほどの川幅を、どんな泳法でも泳ぎ切ることが一人前の証でした。小学1年生の頃?上級生が並泳してくれ、おぼれそうになると助けてくれました。何度かやっていると、泳ぎ切ることができたのでした。地区の子供は、ほぼ全員川の中にいました。上級生が仕切り、小さなコミュニティが出来ていたように思います。
夏の川といえば、その頃短冊を結んだ笹を川に流す習慣がありました(現在と異なり七夕さまは旧暦でしたから、8月7日ごろ、お盆前でした)。この笹が上流から流れ来る頃、「お盆には川にはいってはいけない、入ると先祖様に脚を引っ張られておぼれる」と大人に脅されていたように思います。ですから、川泳ぎはお盆前までの楽しみでした。
<追伸1>
私の子供の頃無くて、今あるもの、猛暑日、熱帯夜。熱さ対策をしっかりして、熱中症に気を付けてください。
<追伸2>
7月8日山陽新聞朝刊[瀬戸大橋上空瞬く天の川]の記事あり。気象条件が良ければ、天の川はまだ見ることが出来るんですね。