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コラム

院長のコラム第20回 土用干し

皆さんは、夏の風物詩というと、何を思い浮かべますか。私のある一日の朝の目覚め・散歩から夜までを思いますと、セミしぐれ、朝顔、散歩・トレーニング後の汗、子供たちのラジオ体操集合、生あったかい水道水、きき過ぎの病院の冷房、スイカ、かき氷、夕なぎ、蚊取り線香の匂い、花火の音、冷えたビールの喉ごしの良さ、扇風機・・・。

私が楽しみにしている夏の風物詩の一つが「土用干し」です。インターネットで検索しますと、「土用干し」で3つ出てきます。梅の土用干し、着るものの土用干し、そして稲田の土用干しです。私は田舎の出身ですが、この「稲田の土用干し」は知りませんでした。10年ほど前、土用の頃の朝、いつものように散歩に出かけました。ずっと水がはってある田に水がなく、地面が乾いてきていました。「あれ、水を入れるのを、怠ったのか?忘れたのか?そんなことはないだろー。水をやらんと枯れるが・・・」などと思い、翌日も田んぼを見ると、さらに地面が乾き、割れてきていました。不思議に思い、外来診療の時、農家の患者さんに、その疑問を問いました。「先生、ありゃー土用干し言うて、わざとやっとんじゃー。水を切ることで、稲の根がよく張り、稲が強くなり、次に水をやるとさらに成長するんじゃ。台風が来ても倒れんようになる。それに地面が固くなり、稲刈り機の車が沈まず、動きやすうなる」と教えてくれました。稲は、酷暑の時に鍛えられ、強くなるのだと思い、そして先人の知恵に感心しました。

それからは、土用干しの風景を見るのが楽しみになりました。暑い夏こそ、身体を鍛えて頑張ろうと、思うようになりました。

<追伸>私の夏風物詩一番は、夏の甲子園です。

雲はわき  光あふれて 天高く純白の球 今日ぞ とぶ
若人よ いざ まなじりは 歓呼にこたえ いさぎよし
ほほえむ希望 ああ 栄冠は君に輝く

さあ、高校野球ドラマを楽しみましょう。

土用干しの水田
地面が乾き、ひび割れています