令和6年能登半島地震出動によるDMAT指定医療機関への感謝状贈呈
令和6年能登半島地震において、当院も災害拠点病院として1/29~2/5までDMATを派遣し、能登町役場内に立ち上げられた能登町保健医療調整本部の指揮下で高齢者施設の支援に従事しました。
この度、この活動に対し厚生労働省 医政局長より感謝状をいただきました。
災害拠点病院とは
平成7年の阪神淡路大震災を契機に、平成8年5月10日付け厚生省健康政策局長通知(災害医療体制、特に災害時の初期救急医療体制の充実を図ることを目的)に基づき、厚生労働省により災害時における医療提供体制の中心的な役割を担う災害拠点病院の整備を開始し、県知事が 「24時間緊急対応が可能な体制を有する」等の指定要件を満たす医療機関につ いて指定を行っています。
原則として基幹災害拠点病院は各都道府県に1箇所以上、地域災害拠点病院は二次医療圏に1箇所以上が整備されています。
岡山県内では、平成9年1月より基幹災害拠点病院の岡山赤十字病院をはじめ、令和5年4月1日時点で当院を含め12病院が災害拠点病院の指定を受けています。
当院は、令和5年3月31日に岡山市東区では初の地域災害拠点病院に指定されました。(県内12病院目)
期待される主な機能
①多発外傷、挫滅症候群、広範囲熱傷等の重篤救急患者の救命医療
②傷病者等の受入れ及び搬出を行う広域搬送への対応
③災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣 等
④地域の医療機関への応急用資器材の貸出機能
災害拠点病院の指定要件
① 運営体制
・24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者等の受け入れ及び搬出を行うことが可能な体制を有すること。
・災害発生時に、被災地からの傷病者の受け入れ拠点にもなること。
・災害派遣医療チーム(DMAT)を保有し、その派遣体制があること。
・救命救急センター又は第二次救急医療機関であること。
・被災後、早急に診療機能を回復できるよう、業務継続計画の整備を行っていること。
・整備された業務継続計画に基づき、被災した状況を想定した研修及び訓練を実施すること。
・地域の第二次救急医療機関及び地域医師会、日本赤十字社等の医療関係団体とともに定期的な訓練を実施すること。 また、災害時に地域の医療機関への支援を行うための体制を整えていること。
② 施設及び設備
・病棟、診療棟等救急診療に必要な部門を設けていること。
・診療機能を有する施設は耐震構造を有することとし、病院機能を維持するために必要な全ての施設が耐震構造を有することが望ましい。
・衛星電話を保有し、衛星回線インターネットが利用できる環境を整備すること。
・多発外傷、挫滅症候群、広範囲熱傷等の災害時に多発する重篤救急患者の救命医療を行うために必要な診療設備を有すること。
・災害時における患者の多数発生(入院患者については2倍、外来患者については5倍を想定)時の簡易ベッドや備蓄スペースを有すること。
・被災地における自己完結型の医療に対応できる携行式の応急用医療資器材等を有していること。
・食料、飲料水、医薬品等について、3日分程度を備蓄しておくこと。また、食料、飲料水、医薬品、燃料等について、地域の関係団体間の協 定の締結により、災害時に優先的に供給される体制を整えておくこと。
・原則として病院敷地内にヘリコプターの離着陸場を有すること。
・DMATや医療チームの派遣に必要な緊急車両を原則として有すること。
・通常時の6割程度の発電容量のある自家発電機等を保有し、3日分程度の備蓄燃料を確保しておくこと。
・少なくとも3日分以上の受水槽の保有、停電時にも使用可能な井戸設備の整備、優先的な給水協定の締結等により 災害時の診療に必要な水を確保することについても差し支えない。
岡山県の災害拠点病院一覧
DMATとは
・災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)の頭文字をとってDMATと呼ばれています。
・災害の発生直後の急性期(概ね48時間以内)に活動が開始できる機動性を持った、厚生労働省が認めた専門的な研修・訓練を受けた医療チームである。
・DMAT1隊の構成は、医師1名、看護師2名、業務調整員1名の4名を基本とする。
DMATの主な活動内容
①被災地での主な活動
・本部活動
・病院支援(診療支援、病院避難支援)
・現場活動(救護所、救助現場)
・地域医療搬送
・避難所救護所活動
②広域医療搬送での主な活動
・SCU活動
・航空機内の医療活動
③ロジスティクス活動
④ドクターヘリ及び災害医療調査ヘリ活動
当院DMATの活動①
令和元年7月31日~令和元年8月3日
日本DMAT隊員養成研修
当院DMATの活動➁
令和2年1月17日 岡山県図上防災訓練 令和3年1月12日 岡山県図上訓練 令和4年1月17日 岡山県地震対応訓練
当院DMATの活動③
令和4年3月26日 院内災害対策実動訓練
当院DMATの活動④
令和4年9月4日
令和4年度岡山県・瀬戸内市総合防災訓練
当院DMATの活動⑤
令和5年1月20日 岡山県地震対応訓練
県庁
病院
当院DMATの活動⑥
令和5年3月4日 院内災害対策実動訓練
当院DMATの活動⑦ 令和6年能登半島地震
令和6年元旦に発生した能登半島地震において、当院も災害拠点病院としてDMAT隊を派遣いたしました。
活動期間は移動日も含め令和6年1月29日~2月5日までで、能登町役場内に設置された能登町保健医療福祉調整本部の指揮下のもと高齢者施設支援に従事してきました。
主な活動として、利用者の回診、施設内で発生したコロナの対応、配膳を含む食事・服薬介助、清拭などの衛生管理、医師による利用者家族への状態説明等をJA尾道総合病院、高知医療センターのDMAT隊と協力して活動いたしました。