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院長のコラム第76回 三年先の稽古

ここ数場所、逸ノ城の相撲が「変わってきたなー、軸がぶれず、どっしりしていて、力強いなー」と思っていたところでした。

今場所初め頃、別の新聞で逸ノ城が最近強くなった理由を解説していましたー「新入幕で活躍し、その後次第に体重が増え、動きが鈍くなり、減量を行った。力が段々出なくなり失敗と考え、また体重を増やしてゆき、力が出るようになってきた」
体重を増やすだけで、力強くなるのかなーと、疑問に思っていたところでした。

3月21日山陽新聞朝刊・スポーツ欄で気になるコピーを見つけました。
【力比べ1分「今は中身が違う」】【魁聖止める 逸城ずしり】です。9連勝中の魁聖に逸ノ城が勝った記事です。

記事を紹介します
―逸ノ城と魁聖が土俵中央で、右四つ左上手でがっぷり組んだ。2人合わせて体重420キロ。観客が沸く中、関取最重量215キロの逸ノ城が両膝を少し曲げて勝負に出た。太い腕でまわしをひきつけ迷わず前に出て寄り切り。1分の力比べを制して大きな拍手を受けた。・・・・・・・
新入幕優勝に迫って騒がれたのは2014年秋場所。しかし、増える体重とともに動きが鈍くなった。転機となったのは腰痛のために全休した16年秋場所だ。入院中のベッドで落ち込んだ。そんな弟子の姿に師匠の湊親方は「一からやり直そう。三年先の稽古だ」と励まし、体をつくり直した。病院食を参考に減量を始め、190キロほどにした。昨年春には本格的な稽古を再開した。100回休まず踏む四股や腕立て伏せで鍛えた。逸ノ城は「前の大きさと今は中身が違う」と自信を示すー

「やはりそうか、なるほど」と納得の優秀記事でした。「アッパレ!」です。

<追伸>この記事を読みながら、プロ野球阪神・藤浪投手のことを想いました。今、彼はもがいています。高校生から入団、新人でいきなり10勝、以後順調に勝ち星を挙げていましたが、一昨年から陰り出てきました。素人野球評論家・花川の独善的診断は「蓄えた体力の枯渇による体の弱さ」です。彼のファンとしては「三年先の稽古」で体を鍛え直し、大投手になってほしいと願っています。a