院長のコラム第58回 真心
1月11日夜帰宅時、岡山西大寺ハローズの駐車場に多くの人が集まっていました。映画の撮影が行われていました。聞くところによると佐藤健、土屋大鳳が来ているとのことでした。
そのことを子供に話すと「すごい!」とのこと、「佐藤健はQ10,るろうに剣心、天皇の料理番などに主演してきた。今が旬、ビック」と教えてくれました。「天皇の料理番?あーっ!あの時見たビデオの主演が佐藤健だったのか」と思い出しました。
昨年5月岡山大学ピッツバーグ大学視察団に加わって米国を旅した時、ANA機中で見た映画の一つでした。Episode7(第7話)で主人公の迫力、そして「真心」という言葉が強く印象に残りました。帰国後、挨拶の時「我々は真心の医療で頑張りましょう」と折々に伝えてきました。
「天皇の料理番」は、大正から昭和の約50年間、宮内省大膳職司厨長(料理長)だった秋山徳蔵の物語です。佐藤健主演のものを含めて現在までに3回テレビドラマ化されています。
Episode7(タイトル:パリと差別と結婚)の印象的なシーンを、you tubeから簡略に紹介します。
舞台はパリ、篤蔵(徳蔵ではなく)はオテル・マジェスチックで小僧として、フランス料理修行中です。同僚の差別にもめげず、料理長に次第に認められ責任ある仕事を少しずつ与えられていました。
ある日、篤蔵愛用の包丁が何者かによって壊されました。日頃から篤蔵を侮蔑していた同僚に詰問しますが、とぼけられ怒りが爆発します。彼を押し倒し、首に包丁をつきつけ、「儂が包丁さばきが何故うまいか教えてやる。日本人は昔から刀で切り会ってきた。相手の首をはねる・・・」
このことで、篤蔵はオテル・マジェスチックを辞めざるをえなくなりました。
粟野フランス大使(郷ひろみ)に相談していたところに、オテル・マジェスチックの料理長が訪ねてきます。彼は、退職を告げに来たのではなく、篤蔵に戻って欲しい気持ちを伝えに来たのです。
料理長「篤蔵の技術はすばらしい。そして、包丁の手入れ、灰汁取り、皿洗いなど、何事にも手を抜かない。手を抜かないということを、日本ではどういうのか?」
篤蔵「真心(sincere heart)」
今年も「真心の医療」で進んでまいりたいと思います。
<追伸>この後、徳蔵は「小僧」から、日本人として初めてユニオン(フランス料理人の組合)の会員になりました。