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コラム

院長のコラム第14回 気持ちを楽にする言葉

渡邊和子の随筆“雑用などない”(月刊雑誌 文藝春秋)の中で、マザー・テレサのことが、以下のごとく書いてあります。
“マザー・テレサは、炊き出しをするシスターたちに必ず三つのことを実行するように諭しておられた。パンとスープボウルを渡す時には、相手の目を見て、ほほえむこと、手に触れて、ぬくもりを伝えること、そして短い言葉がけをするという三つであった”。
これは、医療現場でも大切なことで、折に触れて職員に話していました。自分としては、患者さんに丁寧、親切に接し、話していると、思っていました。

過日、自損事故を起こしました。
“K ちゃん、車の左の底をこすって、傷つけてしまった。”
夕方米屋さんの駐車場から左折して出ようとした時、車道・歩道の境界ブロックの判断を誤り、車の左底をガリッガリッとこすってしまいました。以前にも、サイドミラーを壁でこすり、傷ついたのでペンキを塗り、修理してもらったばかりでした。こちらとしては、また事故をしたのかと思われるのでは、と気が重く、続いて修理をたのむのはすまないなーという気分があり、躊躇しながらH社のKさんに電話しました。
“花川さん、そんな事故、よくあるんですよ”、重い気持ちが、一気に楽になりました。車を持って行くと、休日にもかかわらず、彼が待っていてくれました。
“私も同じような事故で、車の左の部分を傷つけたんですよ”

アップレイ整形外科教科書の中に、医師の問診の心得として“He can speak his words”という一文があります。問診の時、患者さんが安心して喋れるようにということだろうと、理解していました。医学生・研修医に教える時にこの一文を引用して、患者さんがリラックスし、普段話している言葉(方言)で話せるように、してあげなさいと、折に触れて言って来ました。しかし、今回のことで、患者さんの話を聴き、気持ちに寄り添った言葉をかけ、気持ちを楽にしてあげる大切さを学びました。

<追伸>
日本整形外科学会発行「運動器慢性痛診療の手引き」を読みますと、これを「共感」と記しています。まだまだ、勉強、修行が足りないと痛感します。努力して前に進みたいと思います。

<追伸2>
いよいよ15日(土)夜、西大寺会陽です。皆さん、お待ちしています。