院長のコラム第9回 招き猫体操
今回は大腿四頭筋訓練を紹介します。“脚みがき”の中で最も大切な運動です。「転倒予防教室」「寝たきり予防教室」などで、歩行能力を向上、維持するのに大切な筋肉として、この訓練は取り入れられています。また、膝の痛みをとるのにも最もよい治療法として、広く認められています。
大腿四頭筋は、ふとももの前の筋肉で、膝関節を伸ばします(伸展)。病院のリハビリテーション室で、足首に重しをつけて膝関節を伸ばしているのを見られた方が多いのではないでしょうか。下肢筋力強化プログラムの中心になる筋肉です。
まず一般的な大腿四頭筋訓練を紹介します。
詳細なやり方は、ロコトレ(院長コラム第3回)の中に紹介されています。
A.通常の大腿四頭筋訓練(右脚の場合)
椅子に浅く腰掛け、左脚は床につけておきます。両脚を同時に上げると、腰が痛くなる場合がありますので、しないでください。右のふとももは椅子の上に置いたまま、膝を完全に伸ばします(脚を高く上げない)。大切なことは、しっかりと膝を伸ばし、その状態をある時間保持することです。保持時間、一回の回数、一日の頻度は各人が自分の状況で決めてください。重しの使用は、最初はしない方がよいと思います。
B.招き猫体操
さて、今度は私が患者様に長年指導してきた招き猫体操について紹介します。
招き猫体操は、この一般的な大腿四頭筋訓練に、腕の運動を組み合わせた方法です。
図を用いて説明します。
基本回数
1セットにつき 10回 一日3回 右上肢―左下肢、左上肢―右下肢で1回
右、左で一日 30回
なぜ、手と組み合わせて?と思われるでしょう。上肢と連動することで、「歩く感覚」、「体幹が安定し、力が入りやすい」という、利点があります。足首を反らすこと(背屈)で下腿・足の静脈・体液の流れを良くし、下腿・足のむくみ(夕方になると靴下がくいこむ)予防・治療にもなります。
ぜひ、毎日の運動に取り入れて、行ってみてください。
<追伸>
金欠の人は、手を招き猫のようにしてみてください。金運がつきます。